そらいろノートと アプリコットちゃん

blue skies シルバニアファミリー
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シマネコのアプリコットちゃんは、のんびりやさん。
おひるねがだいすきで、ゆめみたいなことを ぼーっとかんがえるのも だいすきです。

きょうは、ぽかぽかの はるの日。
アプリコットちゃんは、そらいろの小さなノートをもって、おそとにでかけました。

「うーん、きょうは……どんな ゆめを かこうかなぁ」

そうつぶやきながら、ひなたぼっこにぴったりの おかのうえに よっこらしょ。
ノートをひらいて、ペンをもちました。

「たとえばねぇ……くもの ベッドで おひるね できたら……
それから……そらを とぶ クッキーが あったら、どこまで いけるのかなぁ〜」

ペンはゆっくり、のんびりと うごいていきます。

そこへ、とことこと やってきたのは、マシュマロネズミのアルバートくん
「なにしてるの?」と、のぞきこみます。

「ふふ、これはねぇ……ひみつのノートなんだよ〜
そらを とぶ クッキーの おはなしを かいてるの」

アプリコットちゃんが にこにこ ほほえむと、アルバートくんは おめめを きらきら。

「それ、ほんとうに あったら たのしいね!クイズにも できそう!」

つぎにやってきたのは、トイプードルのマイロくん

「ふたりとも、なにを おしゃべりしてるの?」

アプリコットちゃんは、ノートを そっと かかえながら、のんびりこたえました。

「うんとねぇ……たのしいことを かいてるの。
ひとりで ぼーっと かんがえるの、すきなんだぁ」

マイロくんは にこっとして、いいました。
「アプリコットちゃんの ゆめのおはなし、ぼくも きいてみたいな」

アプリコットちゃんは、ちょっぴり はずかしそうに わらいました。

「えへへ……じゃあねぇ、こんど できたら、みんなで きいてねぇ〜」

そのとき、丘のむこうから ゾウのヒルトンくんが よいしょ よいしょと はしってきて……
すってんころりん!

みんなで わらって、ヒルトンくんも にっこり。

「アプリコットちゃんのノートに、ぼくも でてくる?」

「うん、でてくるよ〜。つぎはねぇ……ヒルトンくんと、ひこうきグミの ぼうけんに しようかなぁ」

その日のゆうがた、みんなでそらを ぼーっと ながめていると、
アプリコットちゃんは ゆっくり おもいました。

(ゆめを かくのって、たのしいなぁ。
でもねぇ…… だれかと わけあうと、もっと ぽかぽか するんだなぁ)

そらのくもが、ゆっくりながれていきます。

アプリコットちゃんの そらいろノートには、
またひとつ、あったかい おはなしが ふえました。

おしまい。

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