きょうは、そよそよかぜのふく、はるのこうえん。おおきな木のしたで、ペルシャネコのライアンくんが、カメラをかかえてあるいていました。

「うーん、きょうはどんなすてきなしゅんかんをとろうかな?」
ライアンくんはしゃしんをとるのがだいすき。おともだちのえがおや、はなのさくようす、ちいさなむしまで、なんでも“パシャッ”ととってしまいます。
ベンチのうえには、シマネコのアプリコットちゃんがすわって、くもをながめていました。
「こんにちは、アプリコットちゃん。なにしてるの?」
「おそらにね~、おおきなケーキみたいなくもがあったの~。でも、もうとけちゃった……」
「じゃあ、またおもしろいかたちのくもをみつけたら、おしえてね。しゃしんにのこそうよ!」
「うん!」

そのとき、むこうのすべりだいでおおごえをあげているのは、くるみリスのアンブローズくん。てっぺんからビューンとすべりおりてきました。
「アンブローズくん、すっごいたのしそう!しゃしん、とってもいい?」
「もちろんさ!もういっかいすべるよ〜!」
アンブローズくんがすべりだいのてっぺんからすべってくるそのしゅんかん、ライアンくんは「パシャッ!」
「やった、いいしゃしんがとれた!」

そこへ、ゾウのヒルトンくんがやってきました。ちいさなアイスをもって、にこにこしています。
「ヒルトンくん、そのアイスおいしそう!」
「うん……でも、ちょっとだけ、さみしくなっちゃった。ひとりでたべてるから……」
ライアンくんは、やさしくわらいました。
「じゃあ、ぼくといっしょにたべようよ。しゃしんもとってあげる!」
ヒルトンくんはうれしそうにうなずきました。アイスとえがお、ふたりいっしょにパシャリ!

ライアンくんは、そのあともたくさんのえがおをカメラにおさめました。
「しゃしんって、すてきだな。みんなのたのしいきもち、ちゃんとのこせるんだ」
そのひのゆうがた、ライアンくんはカメラをだいてベンチにすわりました。
「きょうも、いいしゃしんびよりだったな」
そらには、にこにこわらってるみたいな、まるいくもがうかんでいました。
おしまい。